歯科技工士の適性について

 どのような人が歯科技工士にむいているかというのは、大変難しいことです。
 歯科技工士は、仕事をする上で彫刻刀をはじめ多くの器具を用います。したがって、「エンピツが削れない」「リンゴの皮が剥けない」といった、基本的な動作の欠如が少なからずハンデになることは否めませんが、どんな職業でも「努力に勝る天才なし」ですから、一つひとつ地道に知識と技術を学ぶことが賢明でしょう。

 歯科技工では、芸術的な意味での技術(ワザ)よりも、科学的な知識に裏打ちされた丁寧で正確な技術が要求されます。入れ歯や冠などの義歯は生体の一部となる人工物(人工臓器)ですから、生体に害のない衛生的な製作物でなければなりません。そのためには知識も技術も『精確』(精密で確かなこと)なことが重要となります。

 また、歯科技工の『精確』・「正確」さは“ミクロの技術”といっても決して過言ではありません。いろいろな素材(材料)を用い、いろいろな道具を駆使して、前述のように害の無いものを製作しなければなりませんが、つまり、それぞれの材料の生体に対する適合性も重要です。歯科技工士の『精確』な技量によって回復する”形態の良否”が大きなウエイトを占めているといってよいでしょう。
 まさしく歯科技工の「技」は手で支えると書きますから、技量が重要であることは間違いありません。